「おまん、それは見逃せんぜよ」

それは小さな鳴き声だった。春の温かな風に乗ってやって来た、誰かを、何かを呼ぶようなその声に引かれるように、少女――広瀬静は歩む。側から見れば、ふらふらとしていて一見すれば危うい足取りで進んだ先に見つけたのは、校舎の裏で丸まる小さな白い毛玉。おそらく、この存在が先ほどからの鳴き声の主だろう、と静は理解する。
なるべく怯えさせないように地べたにぺたんと座りこみ、優しく声をかける。

「こんにちは」

静の呼びかけに、毛玉こと真っ白な毛並みの仔猫は顔を上げ、じっとその大きな瞳で声をかけてきた存在を見つめる。人馴れしているのか仔猫は静の存在を感知しても逃げる事はせず、むしろ感知した後もにー、と可愛らしい声で静に話しかけるように鳴き続ける。

「君、一人……一匹なの?」

にー。

「今日は暖かいね」

にー。

「そこでお昼寝してたの?」

にー。
静の独り言のような問いかけに仔猫はまるでそれに返答をするように鳴く。実際、仔猫からしてみればそのつもりはないのだろう。ただ、気ままに鳴いているだけというのも静は理解している。けれど、どうしてだろう。話し相手になってくれているような、そんな奇妙な感覚を覚えてしまう。

「頭、撫でてもいい?」

その問いに、仔猫は何も反応を示さない。どうしたものかと一瞬考えあぐね、静が恐る恐る右手を仔猫の方へ差し出すと、それに応じるように仔猫は耳をパタンと折りたたむ。ふわふわとしていて、温かくて、いつまでも触っていたくなる。柔らかくてそれでいて少し力を入れるだけで壊れてしまいそうな危うさもある小さな存在。
気持ちがいいのか、それとも振り払うのが億劫なのか、時折小さく鳴くことはあっても、仔猫は静にされるがまま撫でられ続ける。その様子に、静はとある人物を思い起こす。

「なんだか君、雅治先輩に似てるね」
「俺がなんじゃって?」
「わっ!」

突如頭上から降ってきた声に静もそして仔猫も驚く。それもそのはずだ。何せ、静は完全に油断していたのだから。
校舎裏なんて滅多に人は来ないだろうと思っていた。それは仔猫が昼寝をしていたことでほぼ確信を得ていた。さすがに人馴れしているとはいえ、人の往来が激しい場所でこうもリラックスして昼寝はできないだろうと考えていたからで、実際静が仔猫と戯れている間誰も来る気配はなかった。
それがどうしたことか。気配なんて微塵も感じさせず、その人物は静の真後ろに立っていた。

「随分と仲がええのう?」

そう言いながら声の主――仁王雅治はそうすることが当然であるかのように静の隣に腰を下ろす。
何故仁王がここに居るのか。
そもそもどうやって自分の居場所を突き止めたのか。
分からないことばかりで静は困惑を隠せない。

「え、あの……雅治先輩」
「どうしてここにって顔じゃな。さっきメッセージ送っといたんじゃが、見とらんみたいじゃの」
「え?」

仁王の苦笑交じりの表情に、静は仔猫を撫でる手を止め、慌てて制服のポケットからスマートフォンを取り出す。画面をスリープモードから解除すると、確かにメッセージアプリの通知が一通届いていた。今更だけど、と思いつつも画面を右へフリップし、内容を確認する。それは確かに仁王からのもので。
『どこにおる?』
短い問いかけ。仁王らしいといえばらしい。受信時刻はおよそ五分前。五分前といえば、静が仔猫の声を頼りにふらふらと彷徨っていた頃だ。マナーモードにしていた為に気付けなかった、なんて言い訳したところでしょうがない。そもそも静の中にそんな言い訳をするなんていう選択肢は存在しない。自分に非があるのであれば素直に謝る。誰しもが幼い頃にそう教わり、そして歳を重ねるほどにできなくなっていくことが、静は当たり前であるかのようにできてしまう。そうすることが当然であるかのように、静はスマートフォンを制服のポケットに戻し、仁王に視線だけではなく体ごと向ける。

「すみません……」
「別にそんな深刻そうに謝らんでもええんじゃけど。気付かんかっただけで無視したわけじゃないじゃろ」
「それはそうなんですが……でも、申し訳なくて」
「彼女を探して校舎内を歩き回るのも楽しいもんぜよ」

まっすぐ、静の宝石のように美しい瞳を見ながら笑みを浮かべる仁王が放った直球は見事にストライクゾーンに入る。

「か……っ、か、のじょ……ですか……」

仁王と静が恋人関係となり七か月が経ったというのに、未だに静は仁王の口から紡がれる彼女という単語に心を乱される。正確には恥ずかしがっている、のだが。しかしそれも致し方のないこと。何せ、静は恋愛初心者なのだ。ライクとラブの違いが判らない幼かった頃の好きという感情を除けば、仁王は静にとって初めての好きな人、なのだ。ライクではなくラブ。一人の異性として、静は仁王のことを想っている。当然、恋人という関係性も初めてであるし男女間のあれやこれやも未経験だ。

「おまんはいつまで経っても初心じゃのう」

くくく、と笑う仁王も、静のことを言えるほど経験豊かというわけではない。ただ、静よりも少しだけ知識があり、耐性があり、気取られないように繕うのが上手いというだけだ。
言うなれば、仁王と静はどちらも恋愛初心者である。だが、仁王がそうと感じさせないよう繕っている為に、静だけがいつも初心な反応を見せこうして揶揄われている。
雅治先輩の隣に居ても恥ずかしくないようにもっと頑張らないとなぁ、と抽象的な目標を自らの内に立てる静。そんな静を見て仁王は気付かれないように一つ息を吐き出す。そして思い返すのは、ここに来るまでに耳にしたとある男子生徒たちの会話。

「広瀬って可愛いよな。やっぱ彼女にするならああいう子がいいよ」
「それな。でもあれだろ? 確かテニス部の先輩と付き合ってんだろ?」
「えっ、そうなのか!? よりにもよってテニス部かよ!」

外見もさることながら性格も良く、しかも学園祭での見事とも言える仕事ぶりを知る一部の男子生徒から向けられる静への好意を、仁王は何度耳にしたかわからない。その中には自分よりも静に相応しいのかもしれないと思う人間だって両手で数える以上存在している。静に限って靡くなどと、そんなことはないとは思いたいが、けれど万が一ということはあるものだ。それに、もし本当に静の気持ちが自分ではなくほかの誰かに向くことがあれば、仁王はその選択を尊重しようと思っている。
それは静のことをその程度の存在だと思っているわけではなく、むしろ逆で。大切で、大事にしたい存在だからこそ、静が自分から離れるのであればそれを引き留めることはできないと思っているからだ。けれどそれと同時に自らの意思で隣に居続けることを選んでくれたのならば、仁王は決してその手を離さないと決めている。
ひねくれもので、本心を口にすることなんて滅多になくて、イリュージョンと称して色々な人間に姿を変える仁王雅治という男を、真正面から好きだと言ってくれた。叶うのであれば、ずっと隣にいてほしいと願う、たった一人の女の子。
それが仁王雅治にとっての広瀬静という存在だ。

「雅治先輩?」

仁王が黙ったままどこか遠くを見ている様子に、静は迷いながらも声をかけた。もしかしたら考え事をしていたのかもしれないし、そうであったのなら悪いなぁとは思いつつも、けれどこのまま会話のない状態というのもなかなか気まずいものがある。まだ付き合い始めて七か月。会話のない時間でさえも心地よいと思えるまでには至っていないのだ。

「ん?」

名前を呼ばれ、仁王が飛ばしていた意識を手繰り寄せてから返答をしたはいいものの静から続く言葉はない。それもそうだ。静も何か用件があって声をかけたわけではない。沈黙に耐えられなかっただけなのだから。けれど声をかけた以上何か言わなければ、と静は言葉を探すもののなかなかそれは見つけられない。実際にはそんな時間は経っていないものの、体感的には長い間そうしていたかのように感じ、だんだんと静の焦りが大きくなっていく。どうしよう、と焦れば焦るだけ視野が狭くなっていく。――と、第三者ならぬ第三の存在からの主張が静の視線を下げさせる。
にー。
放っておかれたことに拗ねているのか、それとも単に先ほどの続きをしろと言っているのか、仔猫が静の膝の上に前足を掛け、大きな瞳をまっすぐ静に向けている。

「あっ、えっと、ごめんね」

静がゆっくり手を伸ばすと仔猫は先ほどと同じように耳を折りたたむ。余程静の撫で方が気に入ったのか、仁王が隣にいるにも関わらず仔猫は静に甘えるような仕草を見せる。仁王からしてみれば何とも面白くない。けれどこんな小さな仔猫に嫉妬しているだなんて万が一にも知られたくないが故に静には悟られないように、小さく頬を膨らませることしかできない。
撫でられたことで気分を良くしたのか、仔猫はにーと可愛らしい鳴き声を発する。その光景に、仁王の脳裏にあることが思い起こされる。

「そういえばさっき妙な事言っとったのう?」
「へっ?」

にやりと笑う仁王に静は面食らう。それは悪戯っ子のような、面白いものを見つけた時のような、そんな表情だった。

「その猫と俺が似とる、とかなんとか言うとった気がするんじゃが?」
「え、あ、いえ、その……」

なんとなく静も聞かれていたような気はしていたが、それでも敢えてその話題は口にしなかった。猫に似ていると言った時の仁王の反応が想像できなかったこともあるし、そもそも動物に似ていると言われ喜ぶ相手なのかもわからなかったからだ。もし、下手に口にして機嫌を損ねられても大変であるし、それならば黙っていようとしていたのに、まさか本人からその話題を振ってくるとは思いもよらなかった。
わざわざ訊いてくるほど気になることだったのかなぁ。
返答によってどちらに転ぶともわからない状況で、静はどうしたものかと言葉を探す。どう言えば正解なのか、わからないからだ。云々と唸る静ではあるが、そもそも仁王は正解を求めていないし、少しでも仔猫から気を惹きたくて口にした、所謂戯言に近いものだ。だから、どう返答したところで仁王の気分がこれ以上下がることはない。むしろ答えることを放棄し仔猫に気が向いた時にこそ仁王の気分が下がるのだ。

「えっと、はい……。言いました」

結局静は正直に白状する道を選択した。それは嘘はついてはいけないという思いもあったし、何より仁王には自分がつく嘘など簡単に見抜かれてしまうだろうと思ってのことだった。
仁王は他人を観察することに長けている。それはイリュージョンをする際に、その相手になりきるためにどんな些細なことも見逃さず吸収するからだ。そして、観察対象が恋人であるならば、それは尚更である。大事に、大切に想っているからこそ、小さな変化も見過ごしてはいけない、とさえ思っている。それを言葉にするかはまた別の話であるのだが。

「ちなみにどこら辺が似とると思ったんじゃ?」
「えっ? あ、そうですね……。毛の色もそうですけど、なんとなく雰囲気が似てるというか」
「雰囲気、のう?」

もっとないのか? 具体的には? と言いたげに、仁王は静を見やる。じっと、真っ直ぐ向けられる視線に静は更に言葉を探す。

「あとは……えっと……、……いえ、何でもないです」
「言いかけてやめるのは狡いのう。そんなに言いたくないことを思っとったのか?」
「そういう、わけでは……ないんですけど」
「なら言ってくれてええんじゃけどなぁ?」

満面の笑みで仁王は静に迫る。ぐっと近付いた顔に静は仰反る。けれど逃がさないとばかりに仁王は更に体を寄せ、静も更に身を引いて傍から見ればなんともおかしいジリジリとした二人の攻防は続く。けれどそれもすぐに仁王に軍配が上がることとなる。静の背には硬いコンクリートの感触。もうこれ以上は逃げられない、と瞬時に悟る。

「――、あ、あの」
「ん?」
「ち、近い……です、近いです! 雅治先輩!」
「……――、プリ」

唇に触れるその軽い感触に静は何をされたのか理解できなかった。一秒、二秒――五秒ほど経過してようやく自分にされたことに目を丸くし、同時に顔全体がりんごよりも赤く染まる。

「う、ぅ……、な、なん……」
「何がじゃ?」

しれっと笑う仁王に静はぐうの音も出ない。仁王が何をしたのかも、そして自分が何をされたのかも理解していて、けれどそれを言葉にするのはとてつもなく恥ずかしくて。意を決して言おうとすれば仁王にはぐらかされてしまう。結果として顔を真っ赤にする静と楽しそうに笑う仁王という構図が出来上がる。

「で? 言ってくれんのかの?」

つい今しがたのことをまるでなかったかのように、仁王は同じことを静に問う。静と違い、仁王の様子はいつもと何ら変わりがない。それが静の心を乱していく。
なんだか私だけドキドキしてるみたい……。
実際はそんなことはなく。表に出さないだけでむしろ仁王の方が緊張しているし、爆発するのではないかというほど心臓が鼓動している。
試合でもこんな煩くなることはないんじゃがのう……。
静に気取られないように何とか通常の鼓動に戻そうとするものの、心を寄せる相手が目の前にいるのだからそれは叶わない。叶うはずがない。ここで素直に自分も緊張している、ドキドキしていると言えればよかったのだが、生憎仁王は自分の気持ちを正直に口に出すことができない。静相手でもそれは変わらない。
仁王も嘘偽りや冗談ばかりを口にしてきたわけではない。本心を言葉にしたこともある。なるべくなら静相手には思っていること、考えていることを素直に言葉にしたいと思うのだが。けれど。――けれども。
……難しいもんじゃの。
僅かに眉を下げ、仁王が一瞬だけ静から視線を外す。それは本当に一瞬。瞬きの間に終わったことであるのに――、

「雅治、先輩……?」

仁王の骨ばった手に、優しく乗せられた静の滑らかで柔らかな手。くっと寄せられた顔に今度は仁王が仰け反る。

「なんじゃ?」
「いえ、なんでも……ないです」

仁王と違い、静は寄せた顔をすぐに戻す。恥ずかしかったからというのもあるし、仁王の表情の変化が一瞬で、もしかしたら自分の見間違いだったのかもしれない、と思ったからだ。それに何より顔が近ければ先ほどのキスが思い起こされてしまう。引きかけた赤を自らの手で敢えて引き戻すこともない。
途切れてしまった会話。
仁王はさすがに同じことを三度も訊くことに躊躇いを覚え、静は静で先ほどまでの会話内容が突然キスされたことで頭から飛んでしまっている。気まずいと言うほど重い空気ではないが、かといってまた会話を始められるという空気感でもない。
どうしようか、と二人が悩んでいると救世主とでもいうように第三の存在がまたしても声を上げる。
にー。にー、にー。
勝手気ままに仔猫は静の膝に足をかけたかと思えば、するすると木登りでもするように静の体を登っていく。

「わっ、わっ、待って!」

流石に体に上られることは想定外だったからか、静は慌てて仔猫を捕まえようとするが、これがどうしたことか上手く捕まらない。無理に引き離して万が一仔猫の方に何かあってはいけない。そして小さすぎる体に対してどの程度力を入れていいのかわからない。結果として仔猫に自由を許してしまい、静の制服は土と白い毛にまみれてしまう。そしてそんな静と仔猫の攻防に、目の前の男が黙っているわけがない。

「おまん、それは見逃せんぜよ」

言うや否や、仁王は事もなげに静の体から仔猫を引きはがし、丁寧に地面へと降ろす。その一連の流れに、静の方はといえば目を丸くする。それは仔猫をいとも容易く自分の体から引きはがしたこともそうだが、それよりも大きな要因は仁王の表情にあった。
雅治先輩……、もしかしてやきもち妬いてくれてるのかな?
静がそう思うのも致し方のないことである。何せ、今の仁王は膨れっ面を隠せておらず、感情が――嫉妬心が思い切り表に出てしまっている。
しまった、と思った時には時すでに遅し。あれほど仔猫相手に嫉妬していることを知られたくないと思っていた仁王の、僅かな隙。小さな存在によって引きだされたむき出しの心。それを、静が喜ばないはずがなかった。
静は仁王と違い、喜怒哀楽がすぐに表に出るタイプだ。それが良い方に転がることもあれば悪い方へ転がることもあるのだが、今回はそれが前者だったようで、

「……あんまり人の顔じろじろ見るもんじゃないぜよ」

いまいち締まらない、むしろ見ようによっては嬉しそうともとれる表情で、仁王は静に苦言を呈す。けれど、静にしてみれば彼氏である仁王がやきもちを妬いてくれたという事実に破顔を隠せないし、できることならもう少しだけ見ていたいとさえ思っている。ふふ、と満面の笑みで嬉しそうに笑う静に、仁王はそれ以上何も言えず、むず痒そうに目線を右へ左へやることしかできない。

「してやられたのう……」

小さくこぼしたそれは静の耳に届く前に地面に落ちてしまう。なんですか? と訊く静に、仁王は言葉を返さずに首を横に振るだけ。

「さて、そろそろ帰るかの。と、その前に静は制服どうにかせんといかんか。でもまあ、土は払えばええじゃろうし、猫の毛は鞄の中にあのコロコロするやつ入っとるからそれでどうにかなるじゃろ」

「雅治先輩、準備がいいですね」
「柳生に持たされたんじゃ」

ため息混じりの返答に、それなら納得です、と静は笑む。ダブルスのパートナーである柳生ならば仁王がよく猫と戯れている姿も何度か見かけている。で、あるならば毎度のごとく猫の毛だらけになっている仁王に身だしなみをちゃんとするように、とクリーナーを渡すことも当然で。まさか仁王自身だけではなくその彼女までそれに世話になるとはさしもの柳生も想定はしていなかっただろうが。

「教室から鞄取ってくるきに、静はここで待っとりんしゃい」
「わかりました」
「あー、あとおまんはもう静に近づいちゃいかんぜよ」

どうにも吹っ切れたのか、仁王は静の前であるにも関わらず仔猫に対して手のひらを見せ、待てと言わんばかりのポーズをとる。果たしてそれが通じたのか、それとも仁王と静に飽きてしまったのか仔猫はにー、と小さく鳴くとくるりと体を翻しどこかへ行ってしまう。
その後姿に、静がどことなく哀愁を感じ小さく手を振れば、仁王からは拗ねたような声が聞こえてくる。

「静」
「なんですか?」
「……なんでもないき。鞄、取ってくるぜよ」
「……? はい」

立ち上がり、早々に踵を返し仁王は校舎横を歩いていく。
そんなにあの猫のことが気に入ったのかの?
本当は、そう尋ねてしまいたかった。けれどそれを言ってしまえば今後どんなに格好つけようとしてもつかないことを知っている仁王はぐっとそれを腹の奥にしまい込んだ。もやもやとする胸の内をすっきりさせるように大きく深呼吸をし、見上げた空は突き抜けるように青かった。